報恩の日

徒然日記

 10月から12月にかけて忙しい日々が続いたため、その間に更新できなかった分の記事をいくつかに分けて投稿させていただきます

ーーーーーここから本題ですーーーーー

 毎年10月には当寺院で報恩講法要(ほうおんこうほうよう)という特別な法要をさせていただいております。
 報恩講法要というのは簡単に言うと、浄土真宗の教えを伝えてくださった親鸞聖人や救いの道をおすすめくださった阿弥陀如来様に対する「恩に報いる」ために行われる法要です。
 教えや導きに対して報いるにはそれに深くよりそって言われるとおりに道を進んでいく必要があると思います。そのために、法要中にはお念仏をたくさん唱えますし、親鸞聖人の教えが要約された経を読みます。
 ただ、そのお念仏や読経で恩に報いられているのかというと、むずかしいものがあります。
 そもそも親鸞聖人や阿弥陀如来からいただいている恩というのは「極楽浄土に往生」させていただくというもので、「往生即成仏」という真宗の教えからもあるように、仏にさせていただくという多大な恩でございます。本来ならば人の身では難しい数々の行を完遂して初めて仏となることを考えると、これは尋常ではありません。
 ですが、私たちはそんな恩に報いるための法要中、少しでもお示しくださった道に思いをはせるべき時に、それだけを真に考えて法要に臨んでいる方は少ないかと思います。
 私でいえば、お経拝読中、あるいは念仏中、私は当寺院にお招きした諸僧がたや布教師への配慮であったり、次の段取りであったりを考えているわけです。心は余所にいっているわけです。
 人間というのはそういうものであるとわかっていますが、それでも報恩の日として定めるなかでのお念仏であるならば、せめてその時間にだけはひとところ、「お浄土」をおもっていたいものです。

 

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