3月も末の頃。まだ少し肌寒さが残るお寺に子供たちの声が響きました。
発端は2月上旬。繋がりのあったとある方からの相談がありました。
「お寺で子供たち向けの行事をしたい」「お寺に触れながら楽しめるような時間を作りたい」
そんなお話をいただきました。
その前からお寺で若い人向けのイベントをできないか考えていた当院にとっては渡りに船でありました。
春休みの頃。ちょうど暖かくなり始めるそんな頃に予定日を立て、日程を詰めていきました。
そして迎えた当日。
ほんの少し寒さが残り、その日の天気は午後から崩れ出すという話から、予定を早めて子供たちが来院しました。
昼前に来院した10人程の子供たちは元気いっぱいで、山門での挨拶では元気に返してくれました。
境内にあがり、お寺の紹介や謂れを説明しましたが、興味深く頷きながら静かに聞いていました。
時には質問もしていただき、子供たちに説明するために簡単な言葉を探しながら紹介したものです。
本堂内でも当院の内陣荘厳を見てもらいながら、浄土真宗のお寺と他寺院の違いなどを説明していましたが、やはり皆さんが注目していたのは彫り物や絵でありました。内陣の天井に描かれた様々な花の絵や内陣と外陣を分ける結界上部の欄間など、お寺には様々な描かれ方をした花や鳥が多くいることを紹介しました。
お昼は本堂内でとることとなり、食前食後の言葉を唱和していただきましたが、言葉を知っている子供もいて、広い縁の繋がりを感じられました。
午後からは折り紙で蓮の花を折りました。阿弥陀様が立っておられる台座も蓮の花であることを話しながら、少し難しい蓮の花を頑張って折ってくれました。
あとで話を聞きましたが、帰った後も引率の方に聞きながら何個も折って遊ぶくらい気に入っていただいたようでした。
その後は難しい折り紙とは打って変わり、本堂の縁から境内に向けて紙飛行機を飛ばす遊びに移りました。
皆さんの中で誰が一番遠くに飛ばせるかを競う彼らの声は、最近寺院周りで聞くことができなかった華やかさをもってきてくださいました。
遊びを終えた後はいよいよ本堂境内の清掃奉仕。持参していただいたぞうきんを手に掃除をしていただきましたが、非常に真剣に、そして楽しく畳や縁を拭いていました。
境内での草抜きも細かく丁寧にしていただき、その間に境内のお墓にお参りのご門徒さんから
「子供たちがこんなにお寺を綺麗にしてくれて、ありがたいね。」
そう言ってくださいました。
子供たちの清掃奉仕は当院ではほとんどありませんでしたから、この行事を機縁として、老いも若きも訪ねてこられるお寺となれれば幸いだと感じた1日でした。
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